日本監査研究学会

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過去の会長挨拶
2015年10月

会長 伊豫田隆俊(甲南大学大学院)

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 本年9月の全国大会におきまして、日本監査研究学会第17代会長に選出されました。これから任期3年間、会員諸氏のご支援とご協力のもと、微力ながら本学会の発展に尽力して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 本学会は、1978年の創立以来、すでに40年近い歴史と450名近い会員数を有し、会計系学会の中でも重要な学会として、その地歩を固めて参りました。また、本学会は、他の学会とは異なり、公認会計士をはじめとした会計プロフェッションの方々に会員・準会員として参加頂き、理論的観点からだけでなく、実務的観点からも数多くの監査研究・教育に関する成果を世に発信してきたことは皆様ご承知の通りです。多くの先達により積み上げられてきた本学会の輝かしい成果や貢献を受け継ぎ、今後、さらなる発展を目指して会務に取り組んでいく所存です。

 さて、近年における度重なる制度対応にもかかわらず、企業による会計不正は後を絶ちません。今年も大手電機メーカーによる大規模粉飾事件が世上を賑わし、監査に対する社会的信頼が損なわれていることは、監査研究・教育に従事する者として、誠に慚愧に堪えません。グローバル化の進展により国際間での競争が激化する中、市場の透明性を高め、公正な競争を促進するための重要な市場インフラとしての監査制度をいかに整備していくか、今後のわが国の重要な経済政策のひとつであることは明白です。こうした状況のもと、監査研究・教育を通じて監査制度改善に向けての理論基盤を積極的に発信していくことは、本学会に課せられた重要な使命の1つでしょう。

 本学会が、かかる社会の期待に適切に応えていくためには、これまで以上に学会としての研究力を高め、監査研究・教育に関する成果を積極的に世に発信していくことが何よりも肝要と考えます。そのための具体的施策についてはこれから検討・実施していく所存ですが、当面、漸減しつつある会員数の増加をはかるべく、実証研究を中心とした理論研究を促進することにより、財務会計領域の若手研究者の本学会への入会を促進したいと考えています。
 また、若者の会計離れが喧伝される中、会計プロフェッションを志望する人材の増加を目指すべく、公認会計士協会や会計大学院協会と連携しながら、会計・監査の魅力を世にアピールできるように、学界全体として新たな研究テーマに積極的に取り組みたいと思います。  さらに、多様な学際的知見を得るべく、研究大会において各界の著名人等にご講演頂くといった企画も考えていきたいと思います。

 大きなプロジェクトを起ち上げて本学会のプレゼンスを高めていくということももちろん大事ですが、学会の本分である研究・教育という原点に立ち返って、ひとつひとつ地道に成果を積み上げていくことが何より重要と考えます。幸い、財務問題・国際化対応等の懸案事項については、歴代会長のご尽力により、これまでに相当程度改革がなされて参りました。これらの成果を踏襲しつつ、上述の方針に基づき、本学会のさらなる発展に取り組んで行く所存です。

 歴代会長に比べて浅学菲才の身であることは誰よりも私自身がもっともよく承知しておりますが、与えられた3年間という時間を無駄にすることなく、全力で会務に取り組んで参りますので、会員諸兄のご支持とご協力をお願い申し上げる次第です。また、上記の施策に限らず、本学会に対するご意見、ご要望につきましては、理事、事務局、事務連絡所にお寄せくださいますようお願い申し上げます。

2015年10月13日

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