日本監査研究学会

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会長挨拶

会長 堀江正之(日本大学商学部)

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 世の中、「コロナ」一色です。町を歩いていますと、時間がかかっても元に戻るように見えることもあれば、もう元に戻ることはないと感じることもあります。しかし、どちらが正しいか、そんなことを深く考えてみたところで意味はないでしょう。気持ちを新たにして、一歩前へ踏み出すしかないと思います。
 いま「リモート」がキーワードとなっています。AIの進展もあって、デジタル・シフトが監査の世界でも生き残りの鍵を握っているのではないでしょうか。
 1999年に、CICAとAICPAが‟Continuous Auditing”というリサーチレポートを公表しました。当時は技術も追いついていなかったため、絵に書いた餅でした。しかし、今後は、リモートを前提とした連続的モニタリングという方向に進むのではないかとみています。外部監査であっても、内部監査であってもです。
 ピンチをチャンスに変えられるよう、監査に関係する団体とも協力しながら、新しい監査のあり方についての方向性を示すくらいの意気込みをもって学会運営にのぞみたいと決意を新たにしています。
 新型コロナウイルスの影響によって、企業でも学校でも、事業モデルや働き方の転換だけでなく、使命や役割の再定義まで迫られています。学会のあり方も例外ではありません。集合方式での全国大会や部会、シンポジウムや研究会の開催をWeb方式に置き換えるといった「単純な転換」ではなく、大袈裟にいえば「学会とは何か」が問われているように思います。
 若い頃、恩師から、学会の報告会には出なくても懇親会だけは出なさいと言われたことを思い出します。一見、不謹慎のように聞こえるでしょう。ですが、報告会には出なくても、いずれは論文の形で読むことができます。現在では、家に居ながらにして研究に必要な情報を得ることだってできます。
 しかし、若い頃を思い出してみますと、学会に参加して、本や論文でしか接することができなかった先生方の生の声を直接お聞きすることは、単に情報を得るといった平べったいものではありませんでした。研究に対するエネルギーのようなものを肌で感じることができたように思います。今思えば、それは何にも代えがたいものです。
 また、同年代の研究者、同じようなテーマを追いかける研究者が何を考え、何に悩んでいるかを知るには、直接的な交わりが必須です。
 このような点にこそ、学会に参加することの意味があるように思えてなりません。
 今後、Webを活用した学会活動の比率が高まることが予想されます。「離れて、交わる」ためにはどうすればよいかを考えなければなりません。
 会則に、「本会は、監査研究の推進および監査研究者の相互の交流をはかることを目的とする」とあります。中長期的には、対面では実現できないWebの利点を活用した全く新しいタイプの学会活動を生み出すことで研究の推進を図り、また会員間の新たな形での交流を構築する必要があります。これまでの当たり前が、当たり前ではなくなっています。
 会員の先生方のお知恵をお借りしながら、Withコロナ、Afterコロナを前提とした新しい学会のあり方について、前向きの姿勢で考えてゆきたいと思います。

2020年7月記

 
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