日本監査研究学会

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過去の会長挨拶
2017年8月

会長 伊豫田隆俊(甲南大学大学院)

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 早いもので会長の任期も半ばを過ぎ、残すところ、あと1年余りとなりました。 この間、相も変わらず、企業による会計不祥事が世情を賑わせておりますし、また、これに歩を合わせるように、本会を取り巻く環境も変化しております。

 ご存じのように、監査監督機関国際フォーラム(IFIAR)の常設事務局が、今年4月、東京に開設されました。IFIARは、世界の監査監督当局によって構成される国際機関であり、世界各国の監査品質の課題・規制実施について意見交換や知見の共有をはかるためのプラットフォームを提供し、証券規制にかかる活動に関して国際間の協調や一貫性を促すことによって、投資者保護および公益向上を図ることを目的とする組織です。会計・監査のグローバル化が進展する中、国際監査保証基準審議会(IAASB)や国際財務報告基準審議会(IFASB)と並び、IFIARがわが国会計・監査制度の今後の展開に大きな影響を与えることは間違いありません。
 今般、常設事務局の東京開設に伴い、関連諸機関や本学会に対し、今後の運営にかかる協力依頼がありました。会計・監査理論および制度の研究を通じて、わが国ディスクロージャー制度の発展に寄与することを目的とする本学会にとりましても、こうした申出については積極的に対応すべきであるとの役員諸氏のご意見に基づき、東日本の常務担当理事を中心にIFIARとの意見交換等を依頼し、今後の連携のあり方等について模索しているところです。本学会のプレゼンス・ステータス向上のため、どのような連携・協力が可能なのか、真摯に検討していきたいと思っています。
 また、すでに新聞等でも報道されておりますように、監査報告書の様式・内容が大きく変わる方向で制度改革が行われようとしています。慣れ親しんできた、というよりも、米国での財務諸表監査制度導入時より今日に至るまで変わることなく利用されてきた短文式監査報告書が、いわゆる長文式のそれにとって代わられようとしています。米国等ではすでにかなり以前からこうした動きが始まっていたことから、ここ数年来、本学会でも監査報告書をめぐる議論が盛んに行われ、すでに相当の知見・成果が積み上げられています。これらの成果の上に、監査報告書改革が進められようとしているところであり、わが国会計プロフェッションは、今まさに、大きなパラダイム変革期を迎えているといえるでしょう。監査報告書は誰のために作成されるのか、監査報告書の本源的な機能は何か、財務諸表監査の原点に立ち返りながら、制度改革に取り組むことが何より必要だと思料します。
 さらに、監査法人のコーポレートガバナンスのあり方や監査の品質管理など、わが国監査制度を取り巻く環境変化と、そのもとでの制度改革のあり方、および会計プロフェッションの役割に関する認識の変化等に伴い、本学会において検討すべき課題は今後ますます増えていくでしょうし、内容的にヨリ深みのある議論が必要になると思います。かかる状況のもと、研究者だけでなく、実務家の先生方と手を携えながら、わが国監査制度発展のために、学会として尽力していくことが必要なことはいうまでもありません。
 今後とも、会員諸兄のお力添えを頂戴しながら、会長として会務の取り組んで行く所存ですので、この場をお借りして、引き続きのご支援・ご協力をよろしくお願い申しあげます。

2017年8月

 
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