日本監査研究学会

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会長挨拶

会長 山﨑秀彦(専修大学)

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 本学会は、「沿革」に掲載のとおり、1978(昭和53)年5月20日に「監査研究の推進および監査研究者の相互の交流をはかること」を目的に設立されました。設立にあたっては、会員の範囲を公認会計士界、法曹界、官界、産業界を包摂するものとし、会員数1万名以上を目指す案も構想されましたが、諸般の事情から、純学究的な監査論研究者による地味な研究推進の団体として発足することになりました。本学会がその後のわが国における監査論研究の水準を質量ともに引き上げる役割を果たしたことはまちがいないと確信しておりますが、近年は会員数の漸減が続いております。そのため、これまでの歴代の会長は、いろいろな形で会員数の増加をはかってまいりました。私は、そこでとられた諸施策を引き継ぐとともに、アカウンティング・プロフェッションにおける「理論と実務の融合」という観点から、監査論研究者以外の方々にも会員資格を広げることを検討したいと考えております。
 さて、理論と実務の融合を推し進めるためには、まずもって監査(保証)に携わる実務家等の方々(たとえば、公認会計士、監査法人、監査役等、内部監査人、不正検査士、監査の規制にかかわる方々等)にご協力を仰がねばなりません。これまで、本学会では、こうした実務家の会員の方には、課題別研究部会等にご参加いただき、ご自分の実務経験に基づき、分担執筆等をしていただくことが多かったと感じております。これを一歩進め、理論研究を行ってきた会員が、実務家の実務を「観察」すること等によって、自己が構築した「仮説」等を検証し、その結果を再度実務家と議論するという、いわば「臨床研究」を行う場を本学会に設けたいと考えております。そこで得られた知見は、実務界に対しても貴重な教育の素材を提供するものであると考えております。
 ここで少し本学会の活動をご紹介します。第49回西日本部会の統一論題テーマは、「不正会計と監査のあり方-課題と展望」であり、前会長である座長の華麗な手綱さばきのもと 3人の実務家と1人の研究者によって見事なコラボが披露されました。不正の領域に関する研究を進めるにあたって、実務の状況や課題を検討することの重要性を痛感することができました。
 第48回東日本部会では、「サステナビリティ情報の制度開示・保証に向けた論点検討」が統一論題のテーマとされ、現在そうした制度の創設を意欲的に進めている当事者の1人である元会長が座長となり、開示の視点、内部監査の視点、会計プロフェッションの視点および研究者の視点から、「ホカホカの」論点が俎上にのせられ、鋭い検討が加えられました。本挨拶を執筆している段階では金商法の改正案が成立しておりませんが、どのような制度ができあがるのか、期待と不安の入り交じった感情が沸き起こってまいります。
 「理論と実務の融合」をめざす具体的な施策としては、たとえば、2025年度の日本会計研究学会全国大会中に開催されましたAccounting Week では、日本内部監査協会様と共同して「サステナビリティ経営における内部監査の挑戦」と題する報告討論会を開催させていただきました。また、本年度は日本公認会計士協会様と研究・教育面での連携を図るべく、第47回日本公認会計士協会研究大会2026に本学会用の報告枠を設けていただき、私が「サステナビリティ関連財務情報の開示と保証」と題する発表を行い,同発表の内容を会員向け研修に活用していただく予定になっております。さらに、日本監査役協会様にご協力いただき、来年度の全国大会等において、実務家の皆様方を中心として監査役監査等に関する報告と討論の場を設けさせていただきたいと考えております。そうした折りには、会員の皆様方や実務家の方々の積極的なご参加を心からお願い申し上げます。
 今後ともより一層のご支援・ご鞭撻をいただけますことをお願いして、むすびの言葉に代えさせていただきます。

(2026年7月記)

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